KODAK RETURN LOGO TO ITS OLD STYLE

GENKI IMAMURA

KODAKロゴの原点回帰を紐解いてみる

Kodakのロゴが1971年に作られたものに原点回帰されたことに関して少し紐解いてみます。デザイン的視点からすると「面白い!」といった感想なのですが、戦略的視点からすると「ノーサプライズ」といった見解です。

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Kodakといえば、Fujifilmと比較されたケーススタディが有名かと思われます。Fujifilmは市場の脅威に対してうまく舵を取り、「技術力」という「価値提供」をうまく活用し新たなS字カーブの軌道に乗れたわけですが、Kodakは同じく脅威に対して事業投資をしていたのにも関わらず機会をつかめず破綻しました。(この事例は戦略論が好きな人であればよだれが出るくらい面白い事例だと思います。)

技術革新により、代替市場が盛り上がり、既存市場が衰退していく。その時代においてどのように舵をとるのか、どのような経営判断をしなければならないのか。すごい難しい問題です。個人的な見解からすると、実際の脅威が会社に大きな損害を与えるまでに、どのような組織文化を作り、どのような暗黙知や形式知、そして集合知を持った人材が成長し変化に対応できるケイパビリティを持っているかが重要だと考えています。端から見ると、Kodakは経済学や競争戦略論をベースに戦略を設計し、FujiFilmは認知心理学や事業機会・脅威をベースに戦略を設計していたように見えます。

そして、今回黄金時代のロゴに回帰したということは、思考や文化が当時と変化していないということを読み取ることができるのではないでしょうか。戦術的な変化はあるかと思われますが、根本部分の思考は変化していないぞといっているようにも見えます。サイトのコンテンツを見ても、Fujifilmやコニカをフォローしている戦略でもあることも読み取ることができます。つまりロゴが原点回帰しても戦略的変更が表現されていないので中長期的なビジネスとしての価値の貢献度はさほど高くはないのかなと思っております。しかしこれもまた戦略論的な視点の本質論に偏っているので、戦術的な観点から見る現象論で観察していく必要もあるのかと考えています。

Hands-on with Kodak’s £449 Ektra – the camera maker’s first phone
スマホの市場にて一部のニッチ層を取り込むという戦術は理解できるけれど、果たして大きなインパクトを与えるものなのか。
KODAK WEB SITE

何を機会と捉え、どのように戦略に反映していくのか。Kodakロゴの原点回帰を紐解くと、戦略的思考性が見えて非常に面白いなと思いました。そして、デザイナーは戦術的なコンセプトだけではなく、その企業の中長期の戦略性も踏まえてロゴをデザインする必要があるのだと考えています。

ちなみに、世界的なブランディング会社であるInterbrandもロゴ変えていました。(戦術をデジタルにシフトするのですかね)個人的に昔の方が格式があって好きでした。

INTERBRAND WEB SITE

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GENKI IMAMURA

GENKI IMAMURA

FOUNDER / BRAND DIRECTOR

BEES/HONEY INC Founder + Brand Producer ハワイ大学マノア校 ビジネス学部卒業 アメリカにてスタートアップ・ベンチャー企業の立ち上げとブランドプロデュースを担当。帰国後、2010年にブランディングエージェンシーとして幅広いブランディングを行うBEES/HONEYを立ち上げ、事業の立ち上げと売却を経験。現在は上場前後のスタートアップからミドルベンチャーなどIPO前後の企業に対してブランディングだけでなくブランド思考に基づくコンサルティングやアートディレクションを行っている。クライアントにはLevarages, Richmedia, Unimedia,UUUM, MACROMILL, Mobercial など

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